登場人物
ジロー/光明寺博士が製作した人造人間。良心回路が不完全である為、ギルの持つ笛の音に苦しむ。ベルトの青は正義を示し赤は悪を示す、キカイダーにチェンジする事により良心回路が働きベルトも正義の青が上になる。
赤いギターを背中に背負いギターの音と共に現れる。
光明寺博士/本名・信彦。世界的なロボット工学の権威であったが、5年間にわたってダークに拘束されていた。
キカイダーの生みの親でキカイダーを完成させた後、記憶喪失になり逃亡を繰り返す。
光明寺ミツ子/父と共にダークに捕われ、アンドロイド開発に従事していた。ダーク基地脱出後は父の行方を捜し各地を巡る。ジローにほのかな恋愛感情を抱いている。
光明寺マサル/ミツ子の弟で光明寺家の次男。ミツ子と共に父を捜して旅をする。ジローを兄のように慕っている。
ちなみに光明寺家の長男タローは消防士、事故で、すでに死亡、15話でキンイロコウモリが変身して登場する。
プロフェッサーギル/戦闘アンドロイドを使って世界征服を企む"ダーク"を組織した天才科学者。杖に仕込まれた超音波笛の音色はジローの良心回路を狂わせる。
服部半平/服部半蔵の子孫、伊賀流忍法18代目で、自称「世界第1級私立探偵」大した実力はないが、なぜか偶然が重なって大活躍をしてしまう。通称「ハンペン」
サブロー/ハカイダーの人間形態、ニヒルな口笛と共に現れ、破壊剣を武器にジローを狙う。破壊剣をかざしハカイダーへと変身する。
ストーリー
プロフッェサー・ギルが率いる 悪の組織ダークは凶悪なアンドロイドを造り世界征服を企てていた。ダークに捕われてアンドロイドを造らされていた光明寺博士と娘、ミツ子はダークの野望を打ち砕くために密かに、正義の人造人間ジロー(キカイダー)を造っていた。しかし良心回路をセットしようとした時、ギル教授に発見されジローはミツ子を連れてダーク基地を脱出、光明寺博士は行方不明となってしまう。
ジロー、ミツ子、そして光明寺博士の息子マサルは博士を探すための旅が始まる。
ダークはキカイダー破壊と光明寺博士を取り戻すため、ダーク破壊部隊を使いジロー達に向かわせる。
次々に襲い来るダーク破壊部隊、キカイダーもそれを迎え撃つが、ジローには不完全な良心回路がセットされているためギルの吹き鳴らす悪魔の笛がジローを苦しめる。
不完全良心回路に苦悩しながらもジローはダークの野望を打ち砕いていく。しかし光明寺博士は記憶喪失になりミツ子、マサルからも逃げ出すようになっていく。
ギル教授は遂に、光明寺博士を捕らえ、悪の戦士ハカイダーを完成させるハカイダーは良心回路の相反する悪魔回路を内蔵し頭部には光明寺博士の脳が埋め込まれている。
キカイダー破壊のために造られたハカイダーはキカイダーを追いつめる しかし、キカイダーはハカイダーを倒せば光明寺博士の脳も死んでしまうため、うかつに手が出せない。
戦いも終盤に向かいアカ地雷ガマとの戦いでキカイダーは空中分解してしまう、宿敵キカイダーを倒されたハカイダーは自己の存在理由を失い、ギルを殺そうとする。その間にミツ子はバラバラになったキカイダーを復元、ハカイダーも戦いを挑んでくるが、変身回路が不調のためにキカイダーにチェンジ出来ないジロー、襲い来るアンドロイドマンによってジローと別れたハカイダーは、白骨ムササビによって倒されるハカイダーは「どうせやられるなら、お前にやられたかったぜ!キカイダー」その一言を残しジローの腕の中で絶命した。
死んだハカイダーの脳を光明寺の脳に戻したミツ子、奇跡的に光明寺博士は意識を取り戻した。
だが、ギルに捕われ処刑台に張り付けられてしまう。その時復活したジローが現れキカイダーにチェンジ白骨ムササビを倒しギルを追いつめた。自らの手で基地の自爆装置を入れるギル。大爆発のなか、遂にダークは滅び去った。
光明寺博士は、研究を忘れるためミツ子、マサルと共にスイスへ旅立った。
ジローも不完全な良心回路に負けない精神力を身につけるため、一人さすらいの旅に出るのだった。
これがキカイダーだ!
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この図解はLPレコードに付いていた物です。
良心回路ジェミニ ダークの命令音波によって動き出そうとするコンピューターを制御する。
4キロ前方の物体をみわけ赤外線透視で暗闇も見える。
5キロ四方の音もキャッチする高感度イヤー
補助コンピューター クロスした腕から発せられる電磁波によって始動し変身する。右肩にもある。
防護鋼
原子炉
発電機
クラッシャーグリップ 鋼鉄の球も、握りつぶす力を出す。
筋肉はなし、強力な磁力線を応用して手足を動かす。
高性能バッテリー
耐圧ボディ 通常の場合は人間の皮膚に似せた特殊繊維であるが、変身の際の電磁波を浴びると変化を起こし、10トンの重さに耐えられる、超硬質ヒフとなる。
ショックアンソーバ 着地時の衝撃を吸収する。これを逆に使うと、キック力が倍化する。
エアークラフト用の空気を吸う装置
空気圧縮、噴射させるためのローターが入っている。
コントロールファン 飛行中のバランスを保つために使われる。
また予備推進機関としても使える。
エアークラフト噴射口 |
必殺技は大車輪投げ、回転アタック、ダブルチョップ、電磁エンドなどである。
主題歌
主題歌はゴーゴーキカイダー・副主題歌は戦え!!人造人間キカイダー歌は、秀 夕木・コロムビアゆりかご会
秀 夕木氏といえば、ゴーゴートリトンやあしたのジョーの力石のテーマあたりが有名であるが、スターウルフなどの渋い歌声は子門氏や水木氏に無い魅力を持っている。
音楽担当はヒーロー作品の御三家ともいえる(他に菊池俊輔・渡辺岳夫両氏)渡辺宙明氏、特に渡辺宙明氏の曲は力強さでは定評があり、キカイダー以外にもマジンガーZ等のBGMは印象深い。
キカイダーでは主題歌もさることながら、挿入歌も忘れてはならない、中でも強烈なインパクトを与えたのは「ハカイダーの歌」だ!
これは劇中では歌入りとカラオケバージョンが使用され、ハカイダー編に差し掛かる頃から予告編で使用されハカイダーの登場を期待させた。
もう1曲は「ぼくらのキカイダー」だ、この曲もドラマ終盤に頻繁に使われるようになり是非、レコードをが欲しいと思いLPを買ったのに挿入されておらず、とてもくやしい思いをした曲である、なお「ぼくらのキカイダー」は当時はシングルレコードに他の曲とカップリングされ発売されたが、こちらには「ハカイダーの歌」が入っていないという実にずるい商法に私は腹が立ったものだった。
後に再販された時は完全版の形で発売され8年の月日でやっと私を満足させてくれたのだった。
ハカイダーの歌予告編版の秘密
みなさんは知っていると思いますが、ハカイダーの歌は予告編で流れていたものはレコードの編集版なのです。
どこを抜粋していたかをここでご披露致します。
俺の名は 俺の名は ハカイダー
潰せ 壊せ 破壊せよ
胸の 回路に司令が走る
俺の 俺の使命 俺の宿命
キカイダーを破壊せよ 破壊せよ
上の赤文字の部分のみをつなぎあわせて使っていました。
人造人間キカイダー放映当時の時代背景
「仮面ライダー」のヒットによる変身ブーム、各社各局が2匹目のどじょうを狙うべく変身ヒーローを作り出した。
その中で「仮面ライダー」を制作している東映と原作者の石森章太郎がもう一つの新しいヒーローを世に出した、放映時間は土曜の夜8時からだった。
1972年土曜の8時といえば、TBS系「8時だよ!全員集合!!」と誰でもが認める好視聴率番組が存在した。
その「8時だよ」の視聴率に対抗すべく、NETが打ち出した企画は、すでに人気絶好調だった「仮面ライダー」に引継ぎ9時まで子供をヒーロー番組で釘付けにしてしまおうという過去になかった、8時台の子供番組であった。
子供たちは7時30分から「仮面ライダー」を見て「人造人間キカイダー」「デビルマン」と9時までTVを独占したのであった。しかしながら当時は、TVが各家庭に2台あることはあまりなく、親父や家族の顔色をうかがいながらTVのまえに座っていた記憶がある。
※仮面ライダー、キカイダー、デビルマンの番宣録音はこちらから(当時のカセットによる私の録音です。)
サイドマシン未来の車
キカイダーの乗るサイドマシンは設定ではキカイダーがチェンジするとジローのサイドカーからサイドマシンへ変形、最高時速500キロで走り、飛行も可能、空中戦でも威力を発揮する。ベルトで遠隔操作が出来、指笛で呼ぶことが出来る。なお、ジローの乗るサイドカーとキカイダーのサイドマシンのサイドカーの位置が左右逆になるのだ?
キカイダーのサイドマシンはベース車は「カワサキ500マッハV」このバイクにハンドル等を少し改良したのが、ジローの乗るサイドカーであり、「カワサキ500マッハV」を徹底したレーサー仕様のフレームで製作されたのが、サイドマシンだ! なんと!このサイドマシンは、1970年度の東京モーターショーに「カワサキマッハVスペシャルサイドカーGT500」として参考出品された由緒正しいスーパーマシンである。
ジローのサイドカーはその後、01のダブルマシンに改造される事になる。 |
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キカイダーの造型
キカイダーの魅力は何と言っても半分むき出したメカであろう、最初にキカイダーを見た時は目を疑ってしまった。
そもそも、ヒーローはシンメトリー(左右対称)なのが当たり前とだれしもが思っていた、それを見事に覆したのがキカイダーである。よくもこのようなデザインを考えられた石ノ森先生を尊敬してしまう。
キカイダーの頭部のメカはバイクプラモデルのパーツが使われている。
初期と目が光るシーンのみ電飾入りのクリアーパーツを使った目のマスクを使い、中盤以降はほとんどが、ヒートプレスされたものから裏着色された目のマスクとなる。スーツはは原則としてビニールレザー生地の物を着用しているが、アクション等の関係でタイツ生地のスーツも使われている。初期の話数でビニールレザーのスーツに腕の付け根だけタイツ生地のキカイダーも見られる。
OP等に出てくる頭部メカに電飾が入ったキカイダーはマネキン人形にスーツを着せているようだ。
キカイダーアクション
独特のファイティングアクションポーズで戦闘態勢に入るキカイダー、技斗は三島一夫氏により行われアクションはJACが担当している。
その中には、金田治や高橋健二氏なども参加している。
(高橋健二=大葉健二で宇宙刑事ギャバン・バトルケニヤなどで出演)エキストラでその顔を見る事も出来る。
JACのアクションが冴え渡る。キカイダーの回転アタックはJACならではのアクションだ。
チェンジ・スイッチオン・1・2・3
この言葉によりジローはキカイダーに変身する。
チェンジのシーンはほとんどバンクフィルム(フイルムをストックしておいてそのシーンに使用する)で使われたが、意外と気付かないかもしれないが、バンクにおいて何種類かのバージョンが存在する。ヘルメットなしバージョン・ヘルメットありバージョン・ギターありバージョン・ギターなしバージョン・体を下から起こしバージョン・直立バージョンと基本的にはこの種類だが、ヘルメットありのギターなし等のかなりの違うバージョンがあり場面によりうまく使い分けている。なかなか芸の細かい演出だと思う。
プロフェッサー・ギル
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プロフェッサー ギルの吹き鳴らす悪魔の笛の音がジローを苦しめる。
「ダークに生まれし者はダークに帰れ!ダークに帰るのだ!」この笛に負けた時、ジローはダークの手先になってしまうのだ。
演じるは安藤三男氏、ジャイアントロボのドクトルオーヴァーをはじめ、イナズマンのガイゼル総統などヒーロー番組に於いて名悪役であるが、ギルはその中でも特にはまり役といえる。第1話のみメイクが他と少し違っている。
また、第1回撮影会のときのギルは安藤氏ではない。
ハカイダー完成の時の、「出てこい!出てこい!ハカイダー!!」のギルのシーンがとても印象的だ。 |
悪の戦士ハカイダー
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第35話の予告編より使用された「ハカイダーの歌」と共にハカイダーは、
第37話「ジローの弟 強敵ハカイダー!」より登場する。
「驚いたか、キカイダー!これはほんの名刺代わりの挨拶だ! 俺はダークの悪の戦士ハカイダーだ!・・・お前の命は、俺がもらう!!」この台詞からキカイダーVSハカイダーの戦いが始まる。ハカイダーの武器は高周波弾を発射するハカイダーショット。
空中戦も得意とする。愛車は「白いカラス」 ハカイダーの人間形態のサブローは口笛と共に現れる。サブロー役の真山譲次は「柔道一直線」で赤月明役をしていた。
ハカイダーは一定時間内に光明寺博士と血液交換を行わなければ、脳が懐死してしまう。ハカイダーは人造人間であらず、光明寺博士の脳を持ったサイボーグである。
渋く、カッコイイ、ハカイダー敵というより好敵手または、ライバルというべき存在である。しかし、キカイダー01に登場した時は、とってもお馬鹿なハカイダーになる。やはり、プロフェッサーギルの脳が悪かったのだろうか?
1995年 雨宮慶太監督の「人造人間ハカイダー」でリニューアルされ映画で甦る。
エンディング時に流れたハカイダーの歌のアレンジBGMは旧ファンとして拍手をおくりたくなった。 |
ジローは高い所が好き!
ギターの音と共に現れるジローアンドロイドマン達は決まってあたりを捜す「どこだ!どこだ!!あそこだ!!!」必ず無意味ともいえる高い所でギターを弾くジロー、一言の台詞を言い飛び降りてくるジロー、ダークとの戦いが始まる。
なぜ!ジローは高い所が好きなのか?どうしてギターを弾いているのか?
これは、光明寺博士のプログラムに影響するのだろう。イチロー(キカイダー01)も高い所が好きであり、トランペットの音と共に現れ、サブロー(ハカイダー)も口笛と共に現れる。これは光明寺博士が音楽好きで、あったためなのかも知れない。
ただ、サブローが高い所から現れないのは、光明寺博士が高所恐怖症であったため博士の脳を使ったハカイダーはあまり高い所からは現れなかったのだ!
(これは、私が勝手にそう解釈しているだけで真意は定かではありません。)
● AKの余談1
人造人間キカイダーを私が初めて見たのは、妹の持っていた小学館の学習雑誌の予告の欄だった。
「次号より、ゼロダイバーが始まるよ!」と書いてあった。斬新なデザインに思わず、「へんなのー」と言ってしまった。
まさか!これが自分の中でもお気に入りのキャラクターになろうとは思いもしなかった。
ゼロダイバーはキカイダーの初期のネーミングでその後、人造人間レッドブルーになり、キカイダーというネーミングに決定したのだった。
難しいぞ!キカイダーのOPタイトルのTV録音!
まだ巷ではラジカセという言葉がない時代、我が家にカセットテープレコーダーと言う最新マシンがやって来た。初めて録音したのが、今でも忘れられない、海のトリトンの主題歌、当時のことだからAUXなどの端子などなく内蔵マイクで1m位離れた所から録音、キカイダーの録音していたものも、うちの親父の声や、猫の声、はたまた、それを注意する自分の「録音中!静かにして!!」の声も入っているというお粗末な録音だった。
その内イヤホンジャックとマイクジャックをつないで録音出来る事を知りキカイダーの録音に挑戦!しかし、そこには大変な事が待っていた。
当時のテープレコーダーには相当高級な物でなければ、ポーズなどという機能は付いていなかった。
番組が始まると同時に録音を始めるのだが、オープニングのアイキャッチが必ず頭が切れてしまうのだ。
そこで、考えたのがキカイダーの前のCMから丸々録音してしまう事だった。それで結局成功したのだが、キカイダーの歌と共にそのCMの歌も丸々覚えてしまったのだった。そのCMとは「タカトク、ジャンボキャラクター」のCM。
テープを捜せばまだ見つかると思うが、ここで歌ってしまおう!♪「ジャンボ、ジャンボ、ジャンボー、ジャンボ!・・・タカトク、ジャンボキャラクター 君のは何が入っていた?」しかし、こんなのわかる人います?
アンドロイドマン
アンドロイドマンは最初、「ダーク、ダーク」と奇声を発しているが、中盤から「ギル、ギル」と機械的な声に変更された。アンドロイドマンには女アンドロイドもいる、何のために男女のアンドロイドを造る必要があったのか?
ギル博士!なんか変な事に使っていたんじゃないのー。
キチ○イ続出キカイダー
時代はまだ放送禁止用語が、厳しくない頃だ!第36話「狂ったジローが光明寺をおそう」以降ジローは警察に捕まり、そこの刑事に「このキ○ガイロボット」と何度も呼ばれ、マサルにも「ジローは○チガイになちゃったんだ。」と言われる、その後、第40話ではギルが、市民キチガイ作戦を計画する。そのため、この辺の話がTV放映される時は、もうフィルムがブツブツ飛びっぱなし!
*AKの余談2
キカイダーはアカ地雷ガマによりバラバラに破壊される、当時見ていた自分にとってヒーローが破壊されるというのはとてもショッキングな事だった。
また、ハカイダーはキカイダーに倒されると思われていた視聴者に突然、白骨ムササビに倒されるというストーリー展開にちょっと戸惑った気がした。カプコンのクイズゲームで ハカイダーが倒されたのは?という問題が出た時は、さすがにニンマリとしてしまい、「この問題作った奴おたくだな」と思ってしまった。(人の事はいえないが)
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