宇宙猿人ゴリ(宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン)(スペクトルマン

放映/1971年1月2日〜72年3月25日
キー局/フジテレビ系 ・放映時間/毎週土曜日午後7時〜7時30分
制作/ピープロ ・全63話

STAFF
プロデューサー/鷺巣富雄 アシスタントプロデューサー/篠原茂、柴田健治
原作/うしおそうじ  企画/的場徹  音楽/宮内国郎 劇伴作曲/寺島尚彦
効果/石田サウンドプロ
撮影/柿田勇、細川正司  照明/大西顕正、相互企画 美術/飯田公夫
特撮監督/的場徹、堺武夫 矢島信男 特殊撮影/下田久 造型/高山良策、鈴木徹
作画合成/渡辺善夫、鷺巣富雄 動画撮影/伊藤貞之 衣装/京都衣装
編集/香園稔(光映社) 録音/アオイスタジオ 現像/ソニーPCL

CAST
蒲生譲二/成川哲夫 倉田室長/大平透 加賀信吉/渡辺高光 太田高志/新井一夫
有藤年夫/尾崎孝二 遠藤理恵/小西まち子 立花みね子/親桜子 
沢みどり/後藤留美 柳田弘美/桜井妙子
スペクトルマン/上西弘次 ゴリ/遠矢孝信(声)小林清志、加藤精三、西山連
ラー(声共に)上西弘次 怪獣/石崎光洋、有川兼光、鴨志田和夫
ナレーター・ネヴュラの声/
小林恭治

ストーリー

地球から射手座の方向へ4万光年のガイシス太陽系第5惑星。通称E惑星と呼ばれ、平和を愛する猿人社会が高度な文明を誇っていた。このE惑星にIQ300という驚異的な頭脳を持った猿人ゴリがいた。
彼は電子科学部門の開発にあたっていたが、生まれながらの独裁者であったため、軍の1部と計ってクーデターを企てたのだった。ゴリの企みは自動防犯装置に暴かれ、猿人裁判にかけられた。そして、精神改造刑を言い渡された。
ゴリは、ある夜密かに彼の発明した円盤に万能椅子をはじめ、あらゆる超メカニズムを搭載して、軍人ラーを引き連れE惑星を脱出した。長い宇宙航行の旅が続いた。激しい磁気嵐にあい、また万能椅子の計器盤の故障で機動を外れたりしながらも太陽系第3惑星、地球に出会った。緑なす宝石のようなこの地球を乗っ取り、帝王の座を獲得しようと、ゴリの地球乗っ取り作戦が始まった。
宝石の様にきれいな地球、人間はその地球を公害で汚しつつあった、ゴリはその公害に目を付け次々に公害の合成怪獣を生み出し、地球を混乱と恐怖に陥れたのだ。
そのころネヴュラ遊星は、ゴリの野望を察知した。惑星が自己の自然的な変化を遂げるのはかまわないが、ある惑星が他の惑星に人為的に変化を与えるのは自然発生学的にも、各惑星の文明、秩序を守るために許し難いとの主旨で出来た宇宙の国連星であるネヴュラ71星雲は地球にサイボーグ、スペクトルマンを派遣した。彼は蒲生譲二に姿を変え、地球上の情報を集めるのに好条件だった、公害Gメンとして活躍するようになった。
ネヴュラ71遊星の指令によりスペクトルマンに変身して地球防衛のため、ゴリの陰謀を粉砕する。
 公害Gメンの活動もゴリの送り込む怪獣に対処が難しくなり、怪獣Gメンと改め怪獣攻撃隊となる。

 ゴリが山間地帯に建設した地下秘密基地が怪獣Gメンの決死の活躍で破壊された、だが、スフィンクスを戦車に改造して再び日本へ上陸したゴリは、世界最初の高能率原子燃料プラトニウムを奪い、新たな地球乗っ取り作戦を展開する。

 あらゆる作戦もスペクトルマンと怪獣Gメンによって打ち砕かれる、何とかスペクトルマンに打ち勝とうと必死だった。 
ゴリはスペクトルマンの能力を徹底的に研究して、遂にその弱点を見破った。スペクトルマンがスペクトルフラッシュを放つのに2.5秒かかる。この瞬間に倒せば勝てると考えたゴリは、怪獣デサイトマンを完成した。この怪獣にプロボクサーのピストン木戸口の中枢神経を移植しスペクトルマンに最後の決戦を挑んだのだ。だが、両者が渡り合った時、スペクトルマンのスペクトルフラッシュの方が一瞬、早かったのだ。デサイトマンを倒されたゴリは、ラーにデサイトマンと同じ中枢神経を移植し、スペクトルマンとの対決を命令した。
一方、ゴリの秘密基地に潜入し負傷した蒲生譲二は、安易に変身する事が出来ない。変身すればもう人間形態には戻れない、それを承知で変身し、スペクトルマンと差し違えて死のうとする猿人爆弾になったラーを倒した。
 地球征服の野望を絶たれ、唯一の部下ラーまで失ったゴリは、スペクトルマンの前で断崖から身を投じ爆死した。
 使命を果たしたスペクトルマンはネヴュラ遊星に帰還するのだった。


宇宙猿人ゴリの頃
 この時代、TVではスポ根ブーム真っ盛り!タイガーマスク、柔道一直線、あしたのジョー各局様々な番組を放映していた。(ゴリの前の番組も、赤い稲妻という後のライダーガールの沖わかこ主演の空手スポ根ドラマだった。)
「宇宙猿人ゴリ」はその頂点とも言うべき、「巨人の星」の裏番組として始まった。
もちろん、第1回放送は視聴率一桁という悲惨なものだった。しかし、スポ根も徐々に下火になり「巨人の星」も原作にTVが追いついてしまってストーリーを間延びさせていたという時期も重なり遂に15話で「巨人の星」を抜いてしまった。
他局では「帰ってきたウルトラマン」「仮面ライダー」も始まり第2次怪獣ブームの幕開けとなった。

ゴリについて

万能椅子に座り、ラーに命令するゴリ、しゃべりながら常に妙な手振りをしている。
それも、話す内容に合っていないのだ、やはり宇宙人なのであろう地球人の常識とは違うのだ。そういえばどこかでゴリのIQが300だったのに対し本郷猛がIQ500だと書いてあったものがあったが、確かにそうである。
ゴリはこの円盤でE惑星よりやってきた。
実にシンプルなアダムスキー型UFOである、中盤より別のトゲトゲしたUFOに変わる。

 実はゴリの声が数人の人が出していたのはご存知であろうか?
 初期は 小林清次さんが当てておられ(レコードもこの方)
 加藤精三さん、西山連さんと変わる。
みんなさん渋い声なので聞き比べないとわからないままに終わってしまいそうだ。 ところで、加藤精三さんは裏番組で「飛雄馬よ!」ってやってませんでしたけー
作品タイトルについて

 上記に記入したように、最初の放映タイトルは「宇宙猿人ゴリ」しかし、視聴者より悪役がタイトルなのは、おかしいという声もあり次々と作品名を変えていった。スペクトルマンの人気にもよるものなのだろうけど、出来れば最初に企画した方針で宇宙猿人ゴリの観点で作品を作っていけば、もう少し変わったゴリが見れたかもしれない。

スペクトルマン


ネヴュラ71遊星から地球防衛のために派遣されたサイボーグ戦士。


左は最もポピュラーな変身パターン、ネヴュラより「スペクトルマンニツグヘンシンセヨ」という命令を受けて、
「了解!」で変身をする。
 初期の変身は、右手を上げたり、両手を上げたり忙しい変身だった。旧オープニングでも使われている。

初期の戦いで敗れたスペクトルマンはラーにマスクを奪われてしまうシーンがある。
それって本当は巨大な蒲生譲二が本当は戦っているのか?不気味である。

 おくゆかしきスペクトルマン
 スペクトルマンは実におくゆかしい!それは第1話の事である、ヘドロンと戦うスペクトルマン。
そうだ!彼は人間と等身大のまま戦うのだ!第3話で出てくる怪獣ミドロンにも等身大で立ち向う。
もちろん視聴者は、スペクトルマンは等身大のヒーローだと思っていたが、第4話でいきなり巨大化?
今までの戦いはどうして大きくなって戦わなかったのだ!と言いたいが答えはひとつ、スペクトルマンはおくゆかしかったのだ!だが、その答えはそれだけではない!

 スペクトルマン最強ヒーロー説
 スペクトルマンの身長をご存知であろうか?通常の戦いでは48mで戦っているのだが、彼にはすさまじい能力があった。それは身長0〜無限大なのだ!
この無限大がすごい!どんな怪獣も簡単に踏みつける事が出来るではないか!また、最小が0なのだ!
0と言う事はこの世に存在しなくなってしまう、たとえばスペクトルマンが最小に小さくなって怪獣の体に入り中で無限大に大きくなればどんな怪獣もいちころだ!なのに何故スペクトルマンはあんなにも苦戦するのか?
 彼は最強である為、わざと無限巨大化せず、怪獣と苦戦しながらも戦う怪獣の大きさに合わせて戦う!
実にいい奴なのである。 他のヒーローは自分の強さを見せ付けるが、彼は決してそんな事はしない、怪獣のレベルにあわせてぎりぎりのところで勝つ!そして、今日も彼は地面にうずくまる。(涙・・・・;

 スペクトルマンの飛行能力 
 マッハ8で空を飛ぶ、その飛びかたは腕を軽く曲げ、ひざも少し曲げ、とてもマッハ8で飛べそうにない。
本当のところ、飛び人形が悪いのだが、せっかく作品を作るのだから飛び人形位、顔をしっかり作ってもらいたかった、シングルレコードのジャケットにはそんなスペクトルマンの飛び人形がバーンと一面に使われていたが自信があったのでしょうか?(ウルトラシリーズと比べると少し貧弱に感じてしまう・・・予算の関係なのかもしれません、怪獣の造型は高山良策さんだし・・・)
 

スペクトルマンの必殺技!

 スペクトルフラッシュ:スペクトルマン最大の必殺技 手の先より発せられる光線、大量にエネルギーを消費するため戦いの中で1度しか使えない。 
 
ネヴュラスライス:手袋の中に隠されているアタッチメントを刀にして怪獣を切り裂く。
 
スペクトルカッター:ベルトのバックルから取り出す七色の手裏剣、命中すると爆発する。
※スペクトルフラッシュはピープロ得意の作画合成、しかし、マグマ大使のようなスピーディな表現ではなく、光線も貧相で安っぽい作りになってしまった。 スペクトルカッターに関してはもう絶句!まるで面子をばらまく子供のようだ、それもスペクトルマンのOPに使っているので何度も見せられて・・・・・キビシイッス!

スペクトルフラッシュを使って倒れ込むスペクトルマン、力を使い切って動けないようだ。
が、しかし、蒲生譲二に戻った瞬間!今までの疲れがうそのように元気になる、ウルトラセブンあたりはセブンが倒れた後、ダンも苦しそうだがスペクトルマンはちょっと違っていた。

なお、スペクトルマンの中に入っているのはウルトラセブンの中に入っていた俳優、上西弘次氏だ。構え等ポーズは似ているもののなんとなく動きが悪いのはどうしてなのだろう? 

※初期のオープニングタイトルに ラー????となっているのは上西弘次氏がWキャスティングをしていたためスペクトルマンと名前がダブってしまうためと推察される。

※雑誌連載は秋田書店の冒険王 漫画は一峰大ニ氏が書いていた。(単行本は結構高値で売買されている。)


怪獣Gメン

 公害Gメンは公害を調査し原因究明を担当していたが、度重なるゴリの怪獣事件の遭遇した経験を生かしてだい38話より怪獣Gメンとなる。
 公害Gメン時にはユニホームは無いが、怪獣Gメンになってからは、作業服のようなユニホームに普通のヘルメット女性隊員はパトライトの付いた超かっこいい????ヘルメットを着用する。
 基本的にメンバーは変わらないが、女性隊員だけが変わっていく。

 乗り物は普通のジープと専用ヘリ「ボントトエルカ」がある。すごいネーミング!反対から読むと・・・

倉田室長約は大平透氏、すなわち素顔のゴアである。妻と子供がいるが子供の名前は、まもるである?
なにか意味があって付けたのか?

(初代女性隊員、遠藤理恵とスペクトルマン、蒲生譲二)

主題歌等の作曲はウルトラQ,ウルトラマンの宮内国郎先生、したがってウルトラになんとなく似ている。


AKのスペクトルマンの思い出

「宇宙猿人ゴリ」を見たのは自分が小学校4年生の頃だった、当時はもっぱら駄菓子屋の5円ブロマイド収集に熱を上げていた。
駄菓子屋に行っては、5円引きのブロマイドと駄菓子を買ってかえり、汚らしいナイロン袋に大切にブロマイドを入れていた。
どこの親もそうかもしれないが、うちの親父は自分達が悪さをすると、決まって「こんなもの捨ててしまうぞ!」と言ってきた。
こんなものすなわちブロマイドである、本当に捨ててしまうなんてしないだろうと、思っていた所、本当に捨てられてしまい涙、涙、と言う記憶がある。そんなブロマイド収集の最後頃の作品がこのスペクトルマンあたりである。
何故最後かは、この後にライダーカードブームが来るからである。その事は以前に触れているので省略します。

 それ以外の思い出として怪獣募集であった、宇宙猿人ゴリの連載されていた冒険王等で募集があり、自分も応募したが、かすりもしなかった。結果は第23、24話のクルマニクラスが選ばれた、冒険王でその事が結構大きく掲載されており、うらやましく思ったものだ、何が貰えたのかは忘れてしまったが、悔しさだけが残っている、・・・そのくやしさを忘れはしない・・・関係ないが、その当時怪獣募集があっちこっちであったようだ、ガメラシリーズのジャイガーの時も応募したし、シルバー仮面も応募した、なのにすべてハズレ才能なかったんですね!


宇宙猿人ゴリ グッズ (おもちゃ、レコード等)


コラム

宇宙猿人ゴリは、ピープロのマグマ大使に次ぐ代表作品であるが、全般的に製作費の関係と思われる作りの悪さが残念な作品である。
しかし、2話完結で進むドラマは、東映や円谷作品にない独特の世界観を作っており、ゴリとラーという2人で地球征服をしようとする姿が涙ぐましい。
現在DVDBOXが発売されているので、全話を視聴することが可能です。
気になった方はご覧下さい、決してテンポはよくありませんが、ヒーローのカッコよさよりも公害問題がピックアップされ、上司の命令に従わなければならないサラリーマン的なかわいそうなスペクトルマンを見ることが出来ます。
また、松田優作主演のTV映画「探偵物語」の中でスペクトルマンが「惑星からきた少年」の回で登場するのだが、なぜ東映の作品にスペクトルマンが選ばれたのか不思議なところである、なお今回の特集でスペクトルマンをかなり悪く書いてしまいましたが、実はこんなヒーローでもとっても好きなのである。
今でもスペクトルマンゴーゴーが流れてくると、とってもうれしい気持ちになるのはなぜなんだろう、そんな不思議な気持ちの作品です 。
 


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