超人バロム1

放映/1972年4月2日〜11月26日
キー局/よみうりテレビ系 ・放映時間/毎週日曜日午後7時30分〜8時
制作/東映 ・全35話

STAFF
原作/さいとう たかを  企画/平山 享・佐野寿七 音楽/菊池俊輔 
撮影/篠原征夫・原秀夫  照明/安藤真之介 美術/三上睦夫・前沢範
編集/菅野順吉 記録/佐久間淑子・照井鈴子?紀志一子 助監督/前川洋之
・平山公夫・長石多可男・高橋正治 録音/大田克己 技斗/高橋一俊・大野剣友会
進行主任/西川忠邦・伊藤暉雄・大里俊博・古泉雅・佐久間正光・小泉侑祐 ・伊藤隆造
制作担当/池頭俊孝・七城敬三 衣装/東京衣装 美術/藤曲悦子
スタントマン/三隅修(JAC)

登場人物 及び CAST

白鳥健太郎/高野浩幸  バロム1の知恵を司る秀才少年。頭脳明晰な正義漢。戦いに非情な判断を下す事も・・・  健太郎役の高野氏は、つい先ごろ「ウルトラマンティガ」に出演し大人になった姿をみせてくれた。

木戸 猛/飯塚仁樹  バロム1の力を司る腕白少年。スポーツ万能、力自慢の熱血漢。江南第一小学校の番長として同級生からも人気者だが、少しおこりっぽく単細胞と健太郎から馬鹿にされる事も・・・ スポーツ万能のわりには走る時、辛そうである。

木戸松五郎/砂川啓介  猛の伯父、就職試験に落ちる事、数十回の就職浪人。木戸家に居候、アルバイトで生活している。空手、柔道、剣道と有段者らしいが、健太郎、猛でも倒せるアントマンに負けてしまう事もある。 松五郎役の砂川氏は、初代NHK「おかあさんといっしょ」の体操のお兄さん、私もこのお兄さんを見ながら「大きく大きく大きくなーれ大きくなって天までとどけ!」と踊っていました。 またドラえもんの声の大山のぶ代さんの旦那さんである。

木戸刑事(燐太郎)/小林清志  警視庁の鬼警部であり、猛の父親。家庭においても厳しい。 木戸刑事役の小林清志氏は言わずと知れた声優、ルパン三世の次元の声で演技をされるが、声が渋すぎます。

白鳥デスク(敬太郎)/中原成男  健太郎の父、日読新聞の東京本社社会部の敏腕デスク。

白鳥 静/上田みゆき  健太郎の母、健太郎の成績が気になるちょっと教育ママ。  静役の上田みゆきさんは声優としても有名、古くは「エイトマン」のサチコ役、「闘将ダイモス」のエリカ役など、またアニメ歌手で有名な 佐々木功氏の奥さん。

木戸紀子/戸島和美  猛の姉、不在がちの父親にかわりに木戸家を守っている、母親代わりに猛の面倒を見ている。猛の姉という事でドルゲ魔人に狙われることも、しばしば、しかしドルゲの存在を信じていない。

コプー/寺島幹夫  大宇宙の正義と平和を代表する賢者。幾千年間をドルゲとの戦いに費やすが、老いた肉体が滅びを迎えた事を察し、健太郎と猛に魔力を託し、正義のエージェント、バロム1を誕生させる。 寺島氏も声優で有名、「ガッチャマン」のベルクカッツエや「あしたのジョー」の白木会長役など・・・「コプーーー」

バロム1/(声)上田耕一{11話まで}・村越伊知郎{12話より} 賢者コプーに魔力を託された健太郎と猛が、友情のエネルギーとバロムクロスによって合体変身した正義のエージェント。 何故か声優さんが代わってしまった。ナレーターの田中信夫氏の声の時もあった気がする。

ドルゲ/(声)飯塚昭三 地球に災いをもたらす宇宙の悪の源であり、正義を憎み、愛を呪い、善なる者をあざける悪のカリスマ。ドルゲ洞より森羅万象を意のままに操り、分身のドルゲ魔人で地上支配を企む。

ミスタードルゲ/室田日出男  世界でも5指に入るドルゲ財閥の当主。善の仮面で慈善事業を展開する。しかし、その正体はドルゲだ! 名前から見ても怪しいのに何故誰も気付かないんでしょう?

ナレーター/田中信夫  ご存知、水曜スペシャル等のナレーションは有名!うそでも本当に思えてくる話し方です。


ストーリー

大宇宙では、正義の力、コプーと悪の力、ドルゲが何千年もの間、戦い続けてきた。
遂にドルゲは地球にたどり着く、それを追ってきたコプーの命もすでに尽きようとしていた。そこにアントマンたちと戦う勇敢な少年2人の強い友情をみたコプーは2人に正義のエージェント超人バロム1に変身出来る能力を与えた。
白鳥健太郎と木戸 猛はバロムクロスによって超人バロム1となりドルゲ魔人と戦っていく。
友情のエネルギーが不足していると変身出来ない、2人が揃っていないと変身出来ない等の弱点があるものの健太郎の知恵と猛の度胸、松五郎らの協力で次々にドルゲ魔人たちと戦い勝利する。オコゼルゲ〜マユゲルゲまで33+13魔人を倒しついに大魔人ドルゲとの対決がせまる、健太郎と猛の家族がドルゲに捕われてしまった。
 2人はバロム1に変身し家族を助けに向かう。
復活したドルゲ魔人がバロム1を襲うが、それらを倒し家族を助け出す。しかし、それらはドルゲ魔人が化けていた。
バロム1はそのドルゲ魔人を倒し、再び家族を救いに向かう。
そこでバロム1は大地震により生き埋めになるが、コプーの声により復活する。
 そのころ、健太郎、猛の家族はアントマンにされようとしていた。
そこに現れたバロム1、ドルゲ洞がドルゲ本体である事を知ったバロム1はボップだ攻撃!ダメージを負ったドルゲは宇宙へ逃げようとする、バロム1はそれを追った。
 正義と悪のエネルギーが激突!宇宙で大爆発が起きドルゲは滅びた。
バロム1はどうなったのか?と心配する松五郎たちの前にバロム1はあらわれた。
「正義と友情がある限りバロム1は不滅なのだ!」

音楽 菊池俊輔
 菊池先生の事は仮面ライダーの特集で触れているので言うまでもないが、ちょうどこの頃から、ヒーロー乱造期に入り音楽担当に菊池俊輔先生の名前が多く登場する事となる。
さすがに、一度に何作品も作られると似た曲調のBGMが増えてくるが、似た曲ももちろんあるが、ライダー、嵐、とは違うバロム1らしい曲が多い事はさすがである。

超人バロム1放映当時の時代背景

 超人バロム1は視聴率不振の「ルパン三世」の後番組として始まった。
すでに変身ブームは頂点に達しようとしていたころ、同東映系の「仮面ライダー」と差別化をはかり同じ関西キー局のよみうりテレビが制作した変身アクション活劇だ。
 原作は「ゴルゴ13」で有名なさいとうたかを先生、ぼくらマガジンに連載されていた同名漫画のテレビ化である。
放送が始まりちょうど中盤に入った頃、バロム1に事件が起きた。
在日外国人のドルゲという家族がバロム1のドルゲがもとで、いじめられると放送局に苦情の抗議が入ったのだった、この事は当時の新聞にも大きくとりあげられ、波紋をよんだ。結果、番組の最後に「このドラマにでてくるドルゲはかくうのものでじつざいのひとはかんけいありません」と子供にも分りやすくひらがなで書かれたテロップが入れられた。
 この事件がどういう形で解決されたのか、わからなかったがこの事件後にバロム1は間もなく終わっていく、放送回数が中途半端なのはやはり、この影響があったのではないかと思う。
 にしても、ドルゲ魔人の後半のグロテスクな人体魔人は少しやりすぎの感がする。

原作のバロム1は週刊ぼくらマガジンに連載されていたのは、上記でふれたが、当時バロム1を漫画で読んでいた私は、バロム1がTV化されると聞いた時は、どんなキャラクターが登場するのか不安半分、期待半分であった。原作のバロム1は設定こそTVと変わらないが、キャラクターは左の漫画のとおりである。
超人というのだから人でいいのかもしれないが、もしこのままで登場していたなら、マイナーヒーローとして扱われていたに違いない。
当時、ぼくらマガジンは、タイガーマスクや仮面ライダー、天才バカボンなど子供たちが好む漫画を多く連載していたが、対象年令が中途半端であったために廃刊になってしまい人気作品は少年マガジンに以降したのだった。

 超人バロム1が放映される直前に、劇場版「仮面ライダー対ショッカー」において仮面ライダーと変身忍者 嵐と超人バロム1が登場しTVの番組宣伝をしていた、劇場で新ヒーローを見た私はえらく感動したのであった。

 特撮ブームの絶頂期であったため、放映前日にはTVのワイドショーで特集が組まれ番組宣伝をしていたのを覚えているが、そこでライダー、嵐、バロム1のフィルムを流していたわけだが、今考えるとバロム1は放送局違うぞ!確かに3ヒーローが登場していた記憶がある、当時、局も太っ腹だったのだろうか?
※AKのローカルな話
私の住む広島地区では、バロム1の裏番組は、なんと!変身忍者 嵐であった。本局では嵐の裏番組は、ウルトラマンAだったらしいが、私達の地区では同じ東映のヒーローが戦っていた。たぶん嵐が、1週遅れで始まった。学校でも嵐派とバロム派に分れていたが、バロム1有利で最初は、嵐派であった私もいつしかバロム1を見るようになっていった。しかし、ドルゲ問題のせいかどうかはわからないが、バロム1は終了。嵐を見るようになるが、時すでに遅し!ストーリーがよくわからなくなってしまっていた。
 それだけでは、なかった!再放送を何度も繰り返すバロム1に対し、嵐はほとんど再放送されず、こうなるのなら、嵐の方を見ておけばよかった!と後悔したのは放送終了後であった。





マッハロッド
バロム1がボップを「マッハローッド!ボォップ!」と投げる事によりボップはマッハロッドに変形?する。どんな悪路でも走り、ジャンプもするし、空もとぶ万能カー、ドラム缶や意味のない壁を見ると突っ込んでいく不思議な性能を持っている。
まれに、マッハロッド横でボップを付けたバロム1を見る事があるがどうなっているの?
 
マッハロッドは2タイプあり初期は左のAタイプが活躍するが、突然右のBタイプが登場する。
プラモデルやおもちゃになったのは、全て?このタイプだ!
中盤以降Aタイプも復活する。
しかし、いくら子供番組でもマッハロッドに変形する時この表現はいただけない。初期だけはこのアニメパターンで処理されているが、何とかならなかったんでしょうか?




和泉せんべい本舗より発売されたバロム1スナック。
形は仮面ライダースナックの真似っぽい物だったと記憶している。味は塩味で少し湿気たような感じだった。
もちろん、おまけのカード付きで売られていた。
上でも使った唯一、自分が残しているバロム1カードの36番紙質は駄菓子屋のミニカード並み。
 バロム1は20円と30円の2種類のスナック菓子があったようである。

 *超人バロム1スナックの画像はBLUE RECORDのYONEちゃんより使わせて頂きました。

バロムクロス

健太郎と猛はバロムクロスによって、超人バロム1となる。
初期の変身は、お互いの友情のエネルギーが下がっていると変身出来ないとか、制約があった。
 そのため常に行動を共にしていないとバロム1になれなかった。

お互いに「猛!」「健太郎!」と名を呼び合い走って
駆け寄り腕をクロスさせてバロム1に変身!
 その後、2人で左手を一度、合わせて(クロスさせ
る)て「エイ!ヤー!バロームクロース!」と右手を
クロスさせる変身パターンに変わり、とうとう友情の
エネルギーも2人が揃っていなくてもお構い無しの
 ボップ変身へと変わる。
「ボーップ!」猛がボップを空中高く投げると、健太郎は、すばやく気付きジャンプ猛もジャンプ、空に浮んだボップに吸い寄せられる2人、そこで空中でバロムクロス、バロム1へと変身する。この光景はウルトラマンAによく似ている、でも合体変身というのは、よほど脚本に気を付けないと意味のあまりない設定になってしまうようだ。だが、バロム1はウルトラマンAよりはうまくこの設定を使われていたように思われる。ところで、空中バロムクロスの時、健太郎と猛の高さに注目!猛が重そうである。漫画の世界ではガキ大将はみんな太っているが、実際はこんなもんでしょう!どう見てもスポーツ万能とは・・・・・ 

走る!バロム1

 変身したバロム1は電飾の付いたマスクでみなぎる力をアピール!
「バッローム」と叫び!走り始める。
 

走る!とにかくバロム1は走る!
「ズンズンズンズン・・・・」地響きを立てて走るバロム1
そんなに急ぐのならマッハロッドを使えばいいのに、とりあえずバロム1は走るのだ!戦いの中でも助走を付けて小型トランポリンでアクションをするバロム1他のヒーローとアクションがスピーディーだった。

このアクションは当時の小学生であった、私達にも評価は高かった。

ライダーにないアクションを求めた大野剣友会の皆さんに拍手を贈りたい。ライダー、嵐、バロム1と同じ殺陣役者がやっているのにそれを感じさせないのは素晴らしい事だ!

万能武器ボップ
 バロム1の持つボップは様々な能力を持っている、ドルゲ魔人の存在を知る機能をはじめ、マッハロッドになり変身に使われ、武器にもなる。ボップの鳴る音も場合により変化するが、最初の音と後半の音とでは同じ機能でも音が違うのはどうしてなんでしょう?

*AKのボップの思い出
 もちろんボップはポピーよりおもちゃ化された、変身ベルトに付いたタイプとペンダントタイプとボップ単品があった。
小学6年生であった私はボップが欲しかったが、いい年をしてそんなものを買うのが少し恥ずかしい年になっていた?
そこで、2つ違いの弟にうまくのせてボップを買わせて自転車にブザーとして付けさせた。
しかし、弟もさすがに恥ずかしかったらしくすぐに外してしまった。ブザーをしては最悪の大きな音であり人前で鳴らせる代物ではなかった。
外されたボップはブザーの音を切り電飾だけ光るようにして遊んでいた。その後どう処分したのかわからなくなった。


バロム1は2人で1人

歌の歌詞のとおりバロム1は2人が1人になっている。
何と右目と左目に健太郎と猛がおり会話はもちろん内輪ケンカさえしてしまう。
バロム1内部での2人の会話中はバロム1はじっと立っているだけなのだろうか?
もし、そうだとするとバロム1最大の弱点になってしまう!
 時々ケンカをするけど友情のエネルギーは大丈夫なのだろうか?





恐ろしいぞ!ドルゲ魔人
 ドルゲ魔人は、正義のエージェント、バロム1に対し悪のエージェントと呼ばれる。
ネーミングの基本は○○ゲルゲであり、1話のオコゼルゲ等の動物、植物魔人と21話からのクチビルゲのような人体魔人に分れる。
これらはあまりにも恐ろしい!他では見る事の出来ない怪人である。
DVD等で、恐いドルゲ魔人をもう一度確認して下さい。


バロム1の必殺技
初期のバロム1にはバロムカット、バロムブレーク、バロムスイング等の固定技はあったものの、ライダーのような必殺技は決まっていなかった。
しかし、特訓によりバロム爆弾パンチが生まれる。
カメラに向かい広角レンズで撮影していたが、迫力あるものだった。さらに爆弾パンチに迫力をだすため、GRで使った手法のデカイ手も使われた。


AK的超人バロム1の感想
 バロム1はライダーに比べ、主人公が子供という事もあり、全体的に低年齢層にわかりやすいストーリー展開かもしれない、その結果、ストーリーに子供を誘拐、バロム1が助けに行く、というパターンになってしまう。

また、魔人の最後についてもライダー他では怪人はほとんどが爆死であるが、バロム1のなかでは善人や普通の人は元に戻っていく。ただし、魔人の元の人間が悪人であった場合は容赦なく爆死する。完全懲悪かもしれないがシビアだ。
 もう一つの魅力は内容が、子供番組っぽいのにグロテスクな魔人、トランポリンを用いた器械体操的なアクションであろう。
これらのアンバランスさが、この超人バロム1という番組を魅力的に演出しているとまとめておこう。

超人バロム1YOUTUBE 動画集



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